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 川村元気著「世界から猫が消えたなら」(本屋大賞受賞)



 書店で読ませていただいた。立ち読み程度で読破できるシロモノ。おおまかな内容として、病気を告知され余命を宣告された主人公が、悪魔との契約?により世界のあるものを消す代わりに一日生きながらえる、というもの。まぁ、設定は面白いが如何せん文がちょっと稚拙だ。「劣化版」村上春樹のような。

 立ち読みして正解だった。こんなもんに1500円は払えない。読んだ感想としては「は?」。タイトルにある世界から猫が消えたなら~から続く結論を投げ出している。結局消えたらどうなんの?作者の真意にたどり着けない。結局何が言いたいのかもはて。そして現実味と空想味がどちらも中途半端でミスマッチ。

 そしてシリアスな設定・ファンジアな展開に重厚感がない。文章の幼稚さからくるものもあるが、でてくる悪魔も自分とうり二つでアロハシャツを着てなどと某作家が思いつきそうなもんだ。逆に考えて読みやすいという点はあげられるが。

 もうすこし推敲・鍛錬された文章ならもっと人気が出ると思う。日記帳やらメモ帳に走り書きしてるんじゃないんだから。そして掘り下げた内容も不可欠。せっかくいい題材なのに。

 読みやすいだけの小説程度で満足できるような人なら買えばいいと思う。


 以上酷評になったが、本屋大賞ってなんだろうと思った。
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男性
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1991/11/28
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